果物を食べると口の中がかゆい
最近、果物を食べると口の中がかゆくなるようになってきました。
このような質問をされるので書いてみます。
これは、花粉食物アレルギー症候群(PFAS)と呼ばれるアレルギーになります。これのもう少し広い概念で口腔アレルギー症候群(OAS)という場合もあります。食物アレルギーは体全体に発疹が出たり、時には咳が出たり、苦しくなったりと体全体に症状が出ることを想像しますが、本日話題にしているアレルギーは口の中がかゆかったり、腫れたりと口の中だけに止まるので、口腔アレルギー症候群と呼ばれたりするのです。
このアレルギーは小さい頃は大丈夫だったのに…ということが多いです。これは、花粉に関係しているのです。花粉の蛋白成分は植物にとっては、子孫をつなぐ大切な蛋白。実は、果物や果実にも似たような蛋白含まれているのです。そのため、花粉症が出るような年齢になった時に、それに関わりのある果物を食べると口の中がかゆくなるような体質になってくるのです。
スギ花粉症を考えてみて下さい。花粉症は小さい頃はなかったと思います。いわゆる牛乳・卵・小麦で代表される離乳食時期にはじめて食べたら症状が出て…というアレルギーとは性質が異なるものなのです。
他にも、原因物質が加熱で抗原性が下がる性質があるため、ジャムやジュースなど加熱処理を施されている場合は症状が出にくいという特徴があります。
また、口腔に症状が止まるため、比較的症状が軽く、アナフィラキシーが起きることはほとんどありません。
今まで大丈夫だったのに、最近になって、果物を食べると口の中がかゆくなることが多くなってきたという方はご相談いただければと思います。
栃木県壬生町の小児科・アレルギー科専門医クリニック
(壬生町・栃木市・下野市 etc.)
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