2020年7月30日木曜日

【ステロイドって大丈夫?】あかりこどもクリニック 栃木県壬生町の小児科・アレルギー科専門医 (壬生町・栃木市・下野市 etc.)

ステロイドって大丈夫?

ステロイドの塗り薬についてよく質問されることがあるのでお話しします。まず、ステロイドの塗り薬の効果についてお話しします。アトピー性皮膚炎は皮膚が常に荒れている状態にあります。普段きれいな皮膚はバリアの役割を持っていて、外からいろいろな物質が入ってくれるのを防いでくれます。ところが、荒れている皮膚はバリアが働かず、外からいろいろな物質が入ってきて、痒くなる原因になり、掻くことでバリアがさらに壊れてとなってしまうのです。この荒れは炎症を抑えなければならないので保湿剤だけでは中々落ち着きません。ステロイドの塗り薬は炎症を抑える効果を持っているのでアトピー性皮膚炎の荒れた皮膚を落ち着かせるとても良い薬なのです。さて、ステロイドとは体の中で作られるホルモンです。体の中で必要な分だけ、作られて分泌されているのです。ところが、外からステロイドが入ってくると過剰になってしまうので副作用が起きるのです。顔が丸くなったり、太ってしまったりなどなど…。実はこの副作用は塗り薬ではほとんど出ません。塗り薬でも強いステロイドを長期にわたり使用した場合には考慮されるのですが、今はガイドラインも整備されているので、まずそのような出し方をすることは少ないと考えて良いです。飲み薬や注射など直接体の中に入れるようなステロイドで問題になるのです。それでは、塗り薬は大丈夫?と言うことになるのですが、塗り薬の場合、塗り続けると皮膚が薄くなると言う副作用が出ます。今はガイドラインが整備されて、この副作用に対応する塗り方があります。一つは短期で使って落ち着いたらやめる。二つ目はステロイドをやめるとひどくなってしまうところには、毎日ではなく週に2回程度ステロイドを塗り続けると言う方法です。こちらは、プロアクティブ療法と呼び、皮膚が薄くなる副作用を予防してくれます。今アレルギーの分野では荒れた皮膚からアレルギーの体質ができてくるという考え方になっています。荒れたままの皮膚にすることで、痒くて眠れなかったり、アレルギーの体質が作られたり、きれいな皮膚でなくなっていくことを放っておくよりもステロイドを適切に使用して荒れた皮膚を改善してあげることの方が大きなメリットがあると思います。是非ご相談ください。

栃木県壬生町の小児科・アレルギー科専門医クリニック
(壬生町・栃木市・下野市 etc.)

2020年7月23日木曜日

【アレルギーがあっても食べられるようになりますか?】あかりこどもクリニック 栃木県壬生町の小児科・アレルギー科専門医 (壬生町・栃木市・下野市 etc.)

アレルギーがあっても食べられるようになりますか?

アレルギーがあったので食べないでくださいと言われたまま、今に至ります。
ずっと食べない方が良いのでしょうか?

このような質問を受けるので書いてみようと思います。まず、食物アレルギーは食品や年齢によって食べられるようになる可能性は変わります。小さい頃にかかる、卵、小麦、牛乳に代表される食品は自然に食べられるようになる可能性が高い食品になります。そのため、小さい頃ほど基本的には食べられるようになることを考慮しながら見ていきます。食物アレルギーは必要最小限の除去を基本とします。食べられるかどうかの確認を実際にその食物を食べる食物経口負荷試験を行って確かめる。食べられる量がわかったら、その量の範疇で食べられるものを確認して食べられる範囲を広げる。これを続けながら少しずつ解除を行なっていきます。さて、ここでよりリスクの高い食物アレルギーもあります。これは、少量でも強い症状が出るケースです。食物アレルギーの強い症状はアナフィラキシーです。アナフィラキシーは命に関わるアレルギー症状なので注意が必要です。このような場合は除去をきちんとすること、そして間違って食べてしまった時の対応を確認していく必要があります。まとめると食べられるようになることを考えながら見ていくが、充分に注意しながら食べることを進めていく必要があるということです。自己判断で進めるのではなく専門の先生にまずはご相談することをお勧めします。

栃木県壬生町の小児科・アレルギー科専門医クリニック
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2020年7月20日月曜日

【果物を食べると口の中がかゆい】あかりこどもクリニック 栃木県壬生町の小児科・アレルギー科専門医 (壬生町・栃木市・下野市 etc.)


果物を食べると口の中がかゆい

最近、果物を食べると口の中がかゆくなるようになってきました。
このような質問をされるので書いてみます。
これは、花粉食物アレルギー症候群(PFAS)と呼ばれるアレルギーになります。これのもう少し広い概念で口腔アレルギー症候群(OAS)という場合もあります。食物アレルギーは体全体に発疹が出たり、時には咳が出たり、苦しくなったりと体全体に症状が出ることを想像しますが、本日話題にしているアレルギーは口の中がかゆかったり、腫れたりと口の中だけに止まるので、口腔アレルギー症候群と呼ばれたりするのです。
このアレルギーは小さい頃は大丈夫だったのに…ということが多いです。これは、花粉に関係しているのです。花粉の蛋白成分は植物にとっては、子孫をつなぐ大切な蛋白。実は、果物や果実にも似たような蛋白含まれているのです。そのため、花粉症が出るような年齢になった時に、それに関わりのある果物を食べると口の中がかゆくなるような体質になってくるのです。
スギ花粉症を考えてみて下さい。花粉症は小さい頃はなかったと思います。いわゆる牛乳・卵・小麦で代表される離乳食時期にはじめて食べたら症状が出て…というアレルギーとは性質が異なるものなのです。
他にも、原因物質が加熱で抗原性が下がる性質があるため、ジャムやジュースなど加熱処理を施されている場合は症状が出にくいという特徴があります。
また、口腔に症状が止まるため、比較的症状が軽く、アナフィラキシーが起きることはほとんどありません。
今まで大丈夫だったのに、最近になって、果物を食べると口の中がかゆくなることが多くなってきたという方はご相談いただければと思います。

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